15Jan
とにかく、便通の悪さには悩まされがちなうちの一族。
私ももちろんその一人なのですが、最悪なのがウチの伯母。
2週間ほどお腹の中にため込み、健康診断の時にはお医者さん(!)からも妊婦と間違えられたという武勇伝(?)の持ち主で、とにかくすっきりしたい!との一念から、昨年1年ほどセンナ茶を飲んでいました。
そしたら、確かにお通じはよくなったものの、その後体が慣れてしまったのか、不安になってだんだん飲む量が増加。
また、本来は非常にパワフルでエネルギッシュな人だったのですが、しょっちゅう「だるい~」と口にするようになり、見ているこちらが心配になるほどでした。
いろいろ調べ、またお医者さんとも相談したところ、センナ茶の副作用かもしれない?となったのですが、一体伯母の体に何が起こったのか?
ここでは、センナ茶の副作用について、お伝えしていきますね。
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センナ茶にはどんな危険性がある?
1.依存症になってしまう
そもそもセンナ茶は、どのようにして便秘を治すのか?
そこには、「センノシド」という成分が大きく関わっています。
センノシドというのは、センナの葉と実に含まれている成分。
高い下剤効果持っているため、多くの便秘薬や下剤、また健康診断などで飲んだバリウムを体から出すためにも使われているそうです。
なので、むちゃくちゃ危険!というわけではないのですが、問題は、これ、依存症を引き起こしかねないということ。
このセンノシドは、大腸を刺激し、腸の蠕(ぜん)動運動を活発にするのですが、人間の体は刺激に慣れやすいもの。
その結果、量を増やさないと効き目がなくなってしまい、最終的にはかなりの量を飲まないと出ない・・・という事態に陥ってしまうのです。
そう言えば、伯母さん、最初は処方通り、1日に1袋、やかんに1杯煮出した物を飲んでいたらお通じが確実に訪れるようになったけれど、3ヶ月くらい飲み続けたところ、2袋・やかんに2杯分飲まないとでにくくなったとのこと。
そんな量、飲みほすだけでも大変だし、体にとってはかなりの負担(というか、後で書くように実際、かなりの負担がかかっています)。
最終的には、腸が疲れきってしまい、自力で動かなくなってしまう→さらにひどい便秘に→センナ茶の量が増える・・・という恐ろしい悪循環に陥ってしまう危険性があるのです。
なので、便秘に悩む方、確かにセンナ茶、即効性はありますが、基本的に頼りにしないのがベスト!
もし、あまりに苦しいし、どうしても飲みたい!という場合は、あくまで1週間などの短期間にとどめて!
これは伯母を診てくださったお医者様もおっしゃっていたことですが、間違っても1ヶ月以上飲み続ける!などというのは、やめておきましょう。
2.低カリウム血症で体調不良に
上にも書いたように、センナ茶を飲むようになってしばらくしてから、しきりに体調不良を訴えるようになったうちの伯母。
普段が元気な人だけあって、むちゃくちゃ心配していたのですが、お医者さんの診察を受けた結果、それ、低カリウム血症という病気だということがわかりました。
低カリウム血症とは、その名の通り、血液中のカリウムの量が減ってしまう病気。
カリウムには、心臓や筋肉の機能を整えたり、むくみを予防・改善したり、細胞の働きを活性化するなど、人間の健康を保つ上で重要な作用がアリ。
しかし、センナを飲み続けていると、一種の下痢状態が続くため、便とともに本来体に必要なカリウムまで体に外に出てしまうことに。
その結果、慢性疲労や筋力の低下、また便秘の悪化やむくみなどのトラブルが起こってしまうのです。
そう言えば、ウチの伯母も、快便の割に、何か太った?顔が丸くなってない?と感じていたのですが、それ、実はむくみだったことが判明。
ひどいときには、腸閉塞や腎臓機能の低下など、命に関わる症状まで現れてしまう危険性もあるとのことなので、低カリウム血症、要注意です!
なので、もしセンナ茶を飲んでいて、何かだるい感じがする、などのトラブルを感じた方、それ低カリウム血症の危険性も考えられるので、すぐ飲むのをやめて!
幸いウチの伯母は、血液検査でカリウム不足がわかり、カリウム製剤の服用で治すことができましたが、上記の症状を感じた方、必ずお医者さんに相談するようにしてください。
3.腸に大きなダメージを与える(大腸メラノーシスの発症)
2でセンナ茶を飲み続けると、低カリウム血症になり、便秘がよりひどくなる危険性があると書きましたが、それよりも怖いのがこちらです。
そもそも、センナは「アントラキノン」という成分が含まれている便秘薬。
大黄、アロエなど、腸を刺激して排便を促すタイプの便秘薬・下剤にもこの成分は含まれています。
即効性があることもあり、市販の便秘薬にはこのアントラキノンが含まれていることが多いそうなのですが、問題はこれを長期に渡って飲み続けていると、「大腸黒皮症(大腸メラノーシス)」と呼ばれる症状を発症することがあるという点。
これになってしまうと、まず、腸とその粘膜が黒い色に変色。
また、大腸の機能が全体的に低下する上、その神経の働きも鈍くなるので、便秘の症状がより悪化してしまいます。
さらに怖いのが、色素が沈着することで、細胞が硬化してしまう点。
これは大腸ガンを発症するリスクを高めてしまうし、最悪摘出しなくてはならないほど機能を低下させてしまうので、非常に危険です。
と、そんな怖い大腸メラノーシスですが、自覚症状がないまま進行してしまうので、ある意味非常に厄介。
内視鏡検査を受けないと見つからない場合が多いそうなので、思い当るフシのある方、必ず受けるようにして!
万が一見つかったとしても、原因となる下剤を飲むのをやめて半年~1年間ぐらいで、黒ずみは消えるので安心してください。
現にウチの伯母も、内視鏡検査を受けたところ、初期の大腸メラノーシスであったことが判明しましたが、まだ症状が軽かったこともあり、半年ぐらいで良くなりましたよ!
4.高齢の方・妊婦さんには刺激が強すぎる
1~3でイヤというほど、センナ薬の危険性について書いてきましたが、特に注意が必要なのが、妊婦さんと高齢者の方です。
まず、妊婦さんの場合、お腹の中で赤ちゃんが育っていくにつれ、腸が圧迫されるので、どうしても便秘になりがち。
これは妊婦さんの健康にもよくないし、老廃物が溜まると、赤ちゃんの成長にも影響が出てくるので、確かに便秘、早い内に解消する必要があります。
しかし!センナ茶など、大腸を刺激するタイプの便秘薬や下剤は、子宮を収縮させてしまう危険性がアリ。
これは赤ちゃんの健康を危険にさらしてしまうし、何より流産を起こしてしまう恐れもあるので、非常に危険です。
また、授乳中の方も、水分不足や生活リズムの乱れから便秘になりがちですが、センナ茶で治そうとすると、その成分が赤ちゃんにまで伝わり、赤ちゃんが下痢を起こしてしまうこともあるので、便秘解消法としてはNG。
お医者さんとも相談しながら、リスクの少ない便秘薬や整腸剤を使うようにしましょう。
また、同じように注意が必要なのが、高齢者の方。
実はウチの祖母(80代半ば)もそうなのですが、ご高齢の方は、腸をはじめ、内臓の働きが落ちてしまうため、どうしても便秘になってしまいがちです。
そこで手軽に手に入るし(現にドラッグストアにも売っています)、自然の成分でできているから~と、センナ茶に頼ってしまいがちなのですが、1で名前を挙げた「センノシド」には高血圧を引き起こすリスクもアリ。
また、効き過ぎて、下痢を発症すると、脱水症状を引き起こしたり、体にとって大切なミネラルやビタミンが失われ、生命が危険にさらされることもないとは言えません。
というわけで、特に妊婦さんやご高齢の方は、センナ茶は避けるようにして!
確かに即効性はあるのですが、その分リスクが大きいことを忘れないようにしてください。
おわりに
- 依存症になってしまう
- 低カリウム血症の危険性
- 腸に大きなダメージを与える(大腸メラノーシス)
- 妊婦さん・高齢者にとっては刺激が強すぎる
など、様々な副作用・危険性を持つセンナ茶。
ウチの伯母が副作用で苦しんでいたのは間近で見て知っていたのですが、今回調べてみて改めてその怖さが分かりました。
幸い、伯母はお医者さんにかかり、現在は
- 食事療法として、水溶性食物繊維を多く含む食品(果物・海藻など)を多く摂る
- オリゴ糖とヨーグルトを毎日摂る
- 別の記事で紹介した万能茶を常飲
のを日課にし、またお医者さんから処方された酸化マグネシウム(腸に水分を引きつけ、便を軟らかくすることで便秘を治す便秘薬。依存性が低く、目立った危険性・副作用がないとされている)を服用。
再び、もとの元気さを取り戻したので、ほっとしているところです(というか、前よりパワーアップ(笑)?)。
というわけで、便秘、私もそうなので、そのツラさ、非常によく分かるのですが、どうかセンナ茶に安易に頼らないで!
どうしてもの場合は、あくまで短期間の使用に留め、あとは食事や生活習慣を見直すことで治していきましょう。
また、症状が深刻な方は、最近は便秘外来を設けている病院もあるので、そちらにご相談することもオススメします。
便秘、本当にイヤで厄介ですが、安全&健康的に治していきましょうね!
[Writer:けい]
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